平成29年度 とくしま若者フューチャーセッション人材育成事業
とくしま若者フューチャーセッション2017 ファシリテーター養成講座レポート
更新日:2018/03/05
事業概要
徳島県主催のワークショップ「とくしま若者フューチャーセッション」の企画・運営を行うファシリテーターを育成する3回連続講座です。
ワークショップとは、参加者が自分たちで参加・体験し、共同で何かを学び合い、創り出す場のことを指します。このワークショップをデザインし、進行する役割をファシリテーターと呼びます。近年、地域づくりや教育、福祉などの様々な現場で、こうした参加と対話の場づくりを行うファシリテーターが大きく注目されています。
この講座では、「円滑な話し合いの場作り」「未来が生まれる話し合いの場作り」に向けた、ファシリテーションの基本的な考え方や技術の習得を目指します。
第1回 8月20日(日)ファシリテーション基礎講座
―座学と体験、振り返りを通してファシリテーションの基礎を学ぶ
日時:平成29年8月20日(日)10:00~16:30(9:30開場)
会場:とくぎんトモニプラザ 3F 大会議室(徳島市徳島町城内2-1)
参加者:26 名
対象:ファシリテーションに関心のある方(40歳未満/20~30名程度)
ファシリテーター:
・吉野 のりかず(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ理事/ファシリテーター)
・玉有 朋子(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ理事/ファシリテーション・グラフィッカー)
ファシリテーション講座
「なぜファシリテーターが必要か?」
「ファシリテーターがいる話し合いの場といない場の違い」
「ファシリテーションって何?」
というテーマを、座学と体験、振り返りを通して学びました。
フューチャーセッション・ワークショップ講座
ワークショップとその流れを解説し、フューチャーセッションの説明を行いました。
ワールドカフェ体験では、各テーブルでファシリテーターを決め、3ラウンドのワールドカフェを行いました。
ワールドカフェでは、若者主体で企画・運営を行う「若者フューチャーセッション02」の大まかなテーマを決めていくことを目的とした対話を行いました。
1ラウンド目の問い:「若者の力で徳島を元気にするために、最も大事にすべきことは?」
2ラウンド目の問い:「若者の力で徳島を元気にするために、どんなテーマでの話し合いが必要ですか?」
3ラウンド目の問い:「11月26日の若者フューチャーセッションで、徳島を元気にするために、あなたがみんなと話してみたいテーマは何ですか?」
それぞれのラウンドで、問いについて話し合いました。
それぞれ模造紙とポストイットに発言内容、意見を書いていき、話し合いの終了後、各テーブルでの意見を代表者が発表しました。
まとめ・振り返り
ここまでの内容で、どんな学びがあったかをテーブル内で話し合い、各テーブルの代表者が発表しました。発表概要は以下の通りです。
(1)ファシリテーションを知っていれば、過去の話し合いの場は全然違っていた。義務教育の中に「ファシリテーション」を入れるべき。
(2)人の意見を傾聴する大切さを知った。
(3)話し合いを円滑に進める方法を知ることができて良かった。徳島のことも考えることができた。
(4)ファシリテーターによって、話のまとまりが変わってくる。色々な人と話すことで、違う意見も聴けて良かった。
(5)何かを話し合う時に、しっかりとテーマを決めて進めることの大切さを知った。様々な世代の方々と話せて良かった。
(6)年齢層の振り幅に当初は驚いたが、皆さん優しかった。
(7)自分自身の特性(ファシリテーションの得意・不得意や聞き上手か否か)を知る大切さを知った。
次回の講座の予告を行ったあと、主催者である徳島県次世代育成・青少年課の加藤係長からの講評を行い、最後に参加者全員で記念写真を撮影しました。
第2回 8月26日(土)グラフィックファシリテーション基礎講座
―座学と体験を通してグラフィックファシリテーションの基礎を学ぶ
日時:平成29年8月26日(土)10:00~16:30(9:30開場)
会場:とくぎんトモニプラザ 4F 会議室(徳島市徳島町城内2-1)
参加者:24 名
対象:ファシリテーションに関心のある方(40歳未満/20~30名程度)
ファシリテーター:
・玉有 朋子(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ理事/ファシリテーション・グラフィッカー)
・吉野 のりかず(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ理事/ファシリテーター)
グラフィックファシリテーション
可視化を使用したファシリテーション技術について事例や目的、活用法を座学と、実際にペンを使った基礎的な技術の実践をしました。
グラフィックレコーディングの基礎
「絵心なくても大丈夫! 5秒でかけるアイコンを習得しよう」と題し、ものを表すアイコン、感情を表すアイコン、構造化のためのアイコンなどを練習しました。また、「日頃使うものをアイコンにしてみよう」と題し、日頃仕事や学校で使う要素をアイコン化しました。
ストーリーテリングトリオのワークでは、話し手の話をグラフィックレコーディングし、グラフィックを使った振り返りをしました。
その後、ストーリーの聞き方、構造化のポイントを説明し、15分程度のストーリーをレコーディング体験をしました。講師が過去を振り返ったストーリーを話し、参加者が模造紙でグラフィックレコーディングを行います。
レコーディングが終わると、ギャラリーウォーク形式で相互に鑑賞しました。
参加者から、「ストーリーを聴きながら描く時、全体のバランスをとるのが難しかった」などの感想がありました。
簡略OST(オープンスペース・テクノロジー)
一通りのグラフィックファシリテーションの基礎が終わった後、次の2点の実践のためにOST(オープンスペース・テクノロジー)と呼ばれる手法でワークショップを行いました。
・ワークショップでどんどんアイデアを出すための可視化
・アイデア発表のポスター作成
第一回講座に引き続き、若者主体となって企画・運営する「若者フューチャーセッション02」のためのテーマをさらに深めるためのワークを行いました。
講師が第一回目で話された内容について振り返りを行い、話し合いの結果を集約した3つのテーマを発表しました。
①徳島の資源 ②政治 ③場作り
以上の中で、各自自分が携わりたいテーマを選び、5人から6人のグループを作り、各グループは「なぜあなたは徳島を元気にするために、選んだテーマについて話し合うことが必要だと思うのですか?」という問いについて話し合いました。
各グループで討議の結果をまとめ、指針の宣伝・説明のポスターを作成しました。
プレゼンテーション終了後、全参加者にドットシール3枚を配布し、シール投票を行いました。
投票結果は以下の通りとなりました。
【1位】27票獲得 「若者が選挙に行かないのは成功体験がないからだ」
【2位】24票獲得 「バカサミシイマチ」
【3位】23票獲得 「県外の人に徳島の魅力を知ってもらおう!」
【4位】「徳島にはこれがある!」
【5位】「若者×地域 Revolution Tokushima」
講師より、1位となった「成功体験を持つようなワークショップ」について、実行委員会を結成しゲスト選定や内容決定などを進め、実現に向かうと説明しました。
また主催者である徳島県次世代育成・青少年課の加藤係長から、政治というテーマが1位に選ばれたこと、政治を選んだグループの中に中高生が多く混じっていたことに感激したとの講評を行いました。
最後に参加者・スタッフ全員で大きな輪を作り、一人一言ずつ本日の学び・気付きを発表しました。
・学びが理解でき良かった。
・受験に活かす。
・参加して良かった。
・伝えることの難しさと楽しさを知った。
・徳島の若者が凄い。
・徳島がもっと好きになった。
・グラフィックを実践できて良かった。
・みんなの熱がすごかった。
・絵の持つ力のすごさを知った。
・矢印がきれいに描けた。
最後に参加者全員で記念写真を撮影し、終了しました。
第3回 9月10日(日)ファシリテーション応用講座
―座学と体験、振り返りを通してファシリテーションの基礎を学ぶ
日時:平成29年9月10日(日)10:00~16:30(9:30開場)
会場:とくぎんトモニプラザ 3F 大会議室(徳島市徳島町城内2-1)
参加者:21 名
対象:ファシリテーションに関心のある方(40歳未満/20~30名程度)
ファシリテーター:
・佐野 淳也(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ代表理事/ファシリテーター)
・吉野 のりかず(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ理事/ファシリテーター)
・玉有 朋子(一般社団法人しこくソーシャルデザインラボ理事/ファシリテーション・グラフィッカー)
応用講座・未来が生まれる場づくりの技術と理論
プログラムの説明やワークショップデザインとファシリテーション、ファシリテーターのあり方などの座学を行いました。
参加者とともにグランドルールを作り、ペアワークで振り返りをしながら進めることで、多様性のある参加者とともに、全員が主体性をもって参加する場作りを体験しました。
ワールドカフェ体験では、「未来が生まれる場はどうやって生まれるのか?」という問いから、なぜファシリテーションが必要かを改めて考える時間を持ちました。
ワークショップデザイン体験
若者主体で開催する予定である「若者フューチャーセッション02」を題材に、どのようなワークショップにするかグループワークで話し合い、アイデアを出し、プレゼンテーションを行いました。
各テーブルで生まれたアイデア
(1)議員カフェ……気軽な雰囲気で議員に意見をぶつける。
(2)政治家と恋や夢を語ろう……政治家から、なぜ政治家になったのかなどを伺い、その人柄を知るワールドカフェ形式の話し合いの場。
(3)政治をデザインしよう……SNS等を活用し、みんなに分かりやすく、その企画参加者の80%以上が選挙に行くようになる催し。
(4)硬い政治をやわららかくしよう!……政治家の日常を知る。県知事と対話。ナビゲータを分かりやすく面白く説明できる人に(明石家さんまさんなど)。
(5)せいじくんって何? 体験型ラーニング……ボードゲームやカラオケなどを交えて、わかりやすく面白く政治を体感し、距離感を縮める。
まとめ
今回の講座から生まれたアイデアを、どう活かしていくかの予定を説明しました。また、今回参加しての気づき・学びなどを各参加者から発表しました。
・今日生まれたアイデアを実際にしたいと思った。
・3回参加して、学生の方々と話す機会を得られて良かった。
・若い方々の向上心に感心した。
・初めて参加したが、日頃体験できない意見交換ができ良かった。
最後に参加者のうち希望者を募り、若者フューチャーセッション02を企画運営する実行委員会を設立しました。
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