平成29年度 とくしま若者フューチャーセッション人材育成事業

とくしま若者フューチャーセッション02 “自分の未来を他人にまかせて大丈夫?”政治家に聞いてみよう!レポート

更新日:2018/03/06


平成29年11月26日(日)10:00~17:00(9:00開場)
穴吹カレッジグループ徳島校 第二校舎8F DESIGN STUDIO(徳島市徳島町2丁目57)
参加者:27 名
対象:高校生・大学生・若者世代の方 (30 歳未満)


若手リーダー育成を目的として、徳島の若者世代が社会や地域の課題を主体的にとらえ、課題解決に向けたアクションや地域創生のアイデアを協働して創り上げる『とくしま若者フューチャーセッション』(対話による未来創造会議)の第二弾。
「とくしま若者フューチャーセッション02」は「自分の未来を他人にまかせて大丈夫?」を統一テーマとし、しこくソーシャルデザインラボのサポートのもと、若者による実行委員会が中心となって行いました。ゲストトークに飯泉嘉門徳島県知事、遠藤彰良徳島市長、三輪功祐NPO法人Mielka代表を迎え、参加者が徳島県や政治のことを自分事としてとらえ、自ら考えることで関心を深め、自発的行動が生まれるよう場づくりを行いました。

【開始・挨拶】

吉野のりかずより、若者フューチャーセッション全体の説明を行いました。当イベントでファシリテーターを務める櫻井聖人と妹尾裕介がそれぞれ自己紹介し、イベントのテーマが決まった過程を説明した後、このイベントを楽しみましょうと呼びかけました。

【自己紹介】

参加者は、名前、住所、所属などを書いた紙を持ち“サイレントウォーク”と呼ばれる手法で、何もしゃべらずに会場を歩き回った後にペアでの自己紹介を行いました。どんな人が参加しているのか、短い時間の中でも知ることができました。
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【ストーリーテリング】

学校・所属・男女などバラバラの3人でトリオを組み椅子に座ってもらい、「あなたがもし市長・町長・村長になったら、どんなことをしますか?」というテーマを元に一人に話をしてもらい、一人が聞き手役、残りの一人が記録をとり、話し終えた後に記録係が振り返りを行うワークを行いました。
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【ゲストトーク1】

ゲストトークを行いました。

(1)徳島市長/遠藤 彰良さん

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トーク概要
・市民は政治に関心が少ないと感じ、四国放送アナウンサーであった自分が立候補すると関心が集まるのではないかと思った。前回の投票率は25%だった。有権者の4人に1人という現状に、これでいいのかと感じた。

・高校生の頃から政治に興味はあったが、当時はどのように成り立っているのかなどの細かい動きは知らなかった。

・「最近の若いものは」という言葉は大昔から言われている。しかし、若さは何にもまして素晴らしいことだ。松下幸之助は、「もし私に若さをもらえるのであれば、無一文になってもいい」と言っている。若さには値打ちがある、それを自覚して行動して欲しい。

・政治家になっての苦労話としては、徳島市長に就任すると同時に、四国・徳島県・市長会の会長に就任した。各種の会議等で、休みもほとんど取れない。秘書も含め、精一杯働いている。覚悟はしていたが、こんなに忙しくなるとは思わなかった。

 参加者からの質問
・徳島市の一番の課題は?……たくさんあるが、ひとつ言えばゴミ中間処理場の問題。現行の処理場は古く、南海地震には耐えられない。新しいものを作るのは、周辺住民の説得も含めて大変である。

・石井町出身なのに、なぜ徳島市の市長に?……タイミングによるものが大きい。徳島市との結びつきも強く、仕事柄から当時の市政にも詳しかったし、疑問も持っていた。

・若者が何かすると、いつも無理だという風潮がある。若者の意見は通るのか?……市民会議に入ってもらうなど、できる範囲で努力はしている。若い人からも、意見はどんどん出して欲しい。

・市長になった時、まず何をやってやろうと思った?……新町西地区の再開発には膨大な予算が付けられていた。まずこれを白紙撤回することから考えた。それ以外では、学校間の環境の格差(空調完備の有無など)を是正しようと考えた。

 以上の質疑応答で、遠藤市長のゲストトークは終了しました。

(2)徳島県知事/飯泉 嘉門さん 

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トーク概要
・平成13年4月徳島県の商工労働部長となり、その後県民環境部長となった。その頃、現職の徳島県知事が逮捕されるという事件が起こった。次の知事も不信任を受けるなど混乱が続き、徳島県は3年連続知事選を行うようになった。

・周囲から知事選に出てくれとの声が上がり出馬、オンリーワンを目指すというスローガンのもと当時最年少の42才で当選。

・吉野川第十堰問題も世論を一つにまとめた。

・公約を守ることが大切。Jリーグも誘致し、徳島ヴォルティスが誕生した。

・知事になって良かった点は、頑張ってと言われるなど自分の取組を評価してもらえること。
 
参加者からの質問
・徳島県の投票率は全国ワースト。8年前は70%以上もあったのに何故?……政治離れ・住民の無関心も原因。行政に関心を持っていない。

・仕事の達成感はどうやって得るのか?……マニフェストに掲げたもののKPI(重要政策指標)を出し、前進し到達していく時。

・若者の政治離れは、昔から?……今は政治離れというか、自分たちが言ったことが取り上げられないことから、無関心につながっている。モチベーションを上げて行きたい。昔と違いネットがあるため、その点では恵まれていると感じている。

・徳島県は魅力度ランキングで全国46位になっている。発信力はあるのか?……徳島は既に知られていて、珍しくない存在になっている。例えば高知県は新鮮感がある。赤玉がほとんどの中に白玉が入ると目立つが、赤玉は目立たない。徳島産のものは全国にあり、人も入っている。魅力度ランキングの調査方法にも問題があるのでは。

以上の質疑応答で、飯泉知事のゲストトークは終了しました。

【アイスブレイク、振り返り】

午後のファシリテーターを務める妹尾裕介さんが、体を動かすアイスブレイクを行い、その後、ファシリテーション・グラフィッカーの峯利佳さん、田中美歩さん、中村加奈さんがグラフィックを用いて午前中の振り返りを行いました。
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【ゲストトーク2】

(2)NPO法人Mielka代表/三輪 功祐さん

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トーク概要
・野球少年で、中学校は野球部の強い有名校に入学した。その後、公立高校に進学したため、入部した野球部は弱小部だった。他の部員は中学時代とは違い、レベルも才能も低かった。マインドコントロールのような接し方で、リーダーとして他の部員を率い、地区予選の決勝まで進んだが、強豪校には勝てなかった。

・その経験から、単にリーダーに追従する集団と、一人一人が考えて動く集団では、後者のほうが圧倒的に強いと確信し、組織論に興味を持った。

・大学進学後、国を組織として見るようになった。日本の投票率を見て、政治家に全てを任せている、追従型だと感じた。これではいけないと思い、現在活動を続けている。

・日本の投票率は全体で53%、そのうち10~20代は33.4%となっている。これは主要先進国の下から2番目の低さである。さらに、前回選挙で徳島の投票率は全国で一番低かった。

・政治は遠いことのように思えるが、医療・建設・交通・教育・企業・農業と日常の全てに政治が関わっている。つまり、政治に無関心でいられても、無関係ではいられない。
 
・政治に対する意識や行動が機能しないとどのようになるか。投票率が低くなると浮動票が減り、組織票の多い現職が当選しやすくなる。政治に緊張感が無くなり、腐敗につながる。
 
・さらに若者の投票率が低いと、若者以外を対象とした政策に重点が置かれる。いわゆるシルバー民主主義の状況となり、世代間格差が生じる。

・ネット投票は投票率を上げるには有効だが、既に実現している国では投票率は上がったものの、十分に検討されていない投票が増え、質が下がったと言われている。人気投票のようになり、知名度の高い候補や実現性のない公約を掲げた候補が有利となる。

・「投票の率と質を同時に向上させなければならない」と考えている。現状は選挙に良いイメージがなく、関心が薄い。
 そこで、どう関心を持たせ、情報収集するかを考えた。

「主権教育」
・政治的無関心の最大の要因は教育である。教師の立場から政治的中立な立場で教えるのは難しいが、十分な教育を行う。

「JAPAN CHOICE」
・テクノロジー・デザイン・データが民主主義を前進させる。網羅的・視覚的に優れ、政治的に中立的なサイトを構築する。
・実際に運営しているサイトを参加者に見せ、その判りやすさ・見やすさを感じてもらった。

参加者からの質問
・衆議院選挙で、活動は活かせた?……「JAPAN CHOICE」は300万のアクセスがあり、かなりの反響を得ることができた。

・Mielkaは様々な大学から集まっているそうですが、何処を拠点に?……京都。立命館大学、同志社大学など各大学の有志がメンバーにいる。

・データを図にするのは大変では?……死にたくなるほど大変なときもある。

・興味のない同級生などに、興味を持ってもらえる方法は?……発言し続けることが一番だと思う。政治のハードルを下げるイベントなども行うとよい。

・今回のゲストトークで市長は若者に声を上げて欲しいと言っていたが、上げてもすくってくれないと感じる。政治家と若者でズレがあるのではないか。……意識の差は実際にある。どう意見を発信するか工夫するしかない。

以上の質疑応答で、三輪代表のゲストトークは終了しました。

【ペアトーク】

隣の人とペアを組み、「今のあなたの夢・やりたいこと」を話し合いました。
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【アイデアセッション】

「若者と政治を近づけるためには、どうすれば良いか?」というテーマを元に、マグネットテーブルを行いました。A4用紙に自分のアイデアを書き、お互いに見せ合う中で、同じような意見・方向性の参加者が集まりグループを作りました。
 
グループに別れ、ディスカッションを行いました。その後、チームとしてのアイデアを1枚の模造紙にまとめました。
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【アクションアイデア発表会】

作成したアイデアを、各チーム発表!!
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・「Feel!Think!Act!」
小学校→中学校→高校と段階を追って、政治を身近に感じるような教育を行う。

・「DIY×投票所」
各地域で楽しく可愛い投票所を作り、インスタグラム等SNSで広めていく。

・「政治が来い(濃い)」
面白い広報・イベントを行ない、政治に興味関心を持ってもらう。場所や雰囲気も変えていき、新しい選挙のあり方やシステムも考えていく。

・「投票率アップのために」
政治と若者がお互いに食わず嫌いを無くしていく。Twitterやニコニコ動画等ソーシャルメディアを活用する。

・「学校でミックストークしよう」
様々な学校の人と交流し、楽しいビデオを見るなどして政治の面白さを話し合う。

1人3票の投票権をもってシール投票を行いました。

〔投票結果〕

1位:DIY×投票所 30票
2位:Feel!Think!Act! 28票
3位:学校でミックストークしよう 26票
4位:政治が来い(濃い) 18票
5位:投票率アップのために 15票

【全体のまとめ】

1位となった「DIY×投票所」に対し、拍手が送られました。

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第2回目のとくしま若者フューチャーセッション終了。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。


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